第276 手

東近江 川村工務店

2009年03月31日 00:00

 今日ちょっといい話がありました。本多邸での職人さんとの会話です。
 私が、外で内法材の胴付きを付けるため、七寸のこで切っていたところに、左官さんの小林さんが、外壁の漆喰をぬっていて材料が不足したため、足場から降りてきたときの話です。

 小林 「親方の手もごつごつしてるな~」
 川村 「あんまり見るなよ!かっこわるいがな~」「きたない手やがな」
 小林 「職人の手やな!」
 川村 「今頃何いうてんネ!おまいかて同じやろが」
 と言いながら、お互いに手を見ている。その間が変な時間fだ。
 私の手は、左手の親指にあかぎれで、傷テープが2枚貼ってあった。塗料も付いていて、見るからに感じのいい手とは言えない。
 川村 「左官さんも、仕事柄、手が荒れてしょうがないやろが!」
私の手を再度見ながら、
 小林 「ごつくるしいし、節々も太いし、しわくちゃやな~」
 川村 「ほっといてくれ!人にもみせへんがな!見せられへんがな」
     「女の子と手つないで、デート出来ひんがな」
     「酒つぐ時かなんがな。」
 小林 「親方、なにゆうてんの!人に見せる時は親方のような手を見せるのやで」
     「値打ちがあるがな」
     「前な、高利貸しは金貸す時、人の手見て、こいつは働きもんやで、金貸しても良い!とか、判断しよったんやで。」
 
 何年か前、国会議員に握手を求められて手を合わせたことがある。
 何この手、プヨプヨやん。こんにゃくの方が固いがな!そんな感想があった。
 
 今日は、左官さんとの会話から、自分の手に、もうちょっと自信を持とうと思った。


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