第286 大蔵邸上棟

2009年07月29日

 7月13日14日に渡り、大蔵さんの主屋の組み立てをしました。「もう少しで梅雨明けかな?」と思われる怪しい季節の中で、合間を縫ったかのようなに、雨を避けられ、無事上棟が出来ました。
 この建物の特徴は、一部下屋がありますが、二階の桁から、持ち上がった屋根勾配が、梁間が大きいため、一見すると三階建てのようです。大きなロフロがあるのです。一階と二階の間には、張間方向に、太くて長い、大きな杉の八角丸太がデンと横たわり、重量感をかもし出しています。存在感と安定感があります。横架材(梁)は折置き組を基本にした組み方で、数本通り柱が使ってあります。梁と通り柱は、同じレベルでは組んでいません。でも、容積が大きいため、外周の壁には土壁での耐力が不足するため(計算上)筋かいが入っています。いわば、伝統構法を織り込んだ、現代構法と言えます。
 二世帯住宅なので、一,二階にそれぞれキッチン・お風呂・トイレなどが完備された、広々とした空間です。大蔵さんは、もともと永源寺の君が畑という集落出身で、木の良さが特に解り、木が好きな方です。
 一階の八角丸太は、2007年11月に、永源寺杉ファンクラブの主催する、伐採ツアーで伐採された、樹齢80年の大木です。後から解った事ですが、(この木を植えられたのは、大蔵さんの先祖であるということ。)この木を工場に運び込み、乾燥をさせていた中、大蔵さんの話があり「是非、この現場で使い一本でも、永源寺の方にかえさなくては!」と思っていたところでした。とても良い話だと思います。
 
 26日は、軸組み構造見学会を開催しました。天候も優れなく、ときたま、バケツをひっくり返したような雨が降り、見学に来ていただいた方、本当にありがとうございました。
 PM3時には、鈴木有先生も来られ、私たち大工と設計した角川さんに、しっかり辛口のレクチャーをしてくださいました。勉強になりました。工事が進むにつれ、皆さん「どうなっているのだろう」と、見に来てください。

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