第282 創業100周年

2009年06月01日

 みなさん、お久しぶりです。少しHPの更新から遠ざかっていました。
 
 正月に、今年は大工業100年なので、周年の記念イベントをやりたい、「実行しよう!」と決めていました。2代目も肺気腫を患っていて、一日中寝ている日もあり、元気なうちにやらなくては意味がない。普段は口うるさいオヤジでも、大切なオヤジです。

 3月の半ば、会場を予約に行きました。立派な会場を設定するのも良しですが、地元には(自宅から2分)クレフィール湖東があります。これも、地産地消。ホテルは高台にあり、中でもレストランは、湖東平野を見渡せ、その中には我が家までも風景の中に納まり、遠く比良の山並みとその下には、青くまっすぐなびわ湖の湖面が鮮やかに望むことが出来ます。
 そのレストランの貸切が、予約で埋まっていて、予約可能な日が6月21日でした。よく考えると『父の日』。日程と会場は、ばっちり!決定でした。

 当日は70人を予定し、みなさんには読み物として、工務店の100年の履歴と実績の情報収集に5月から準備を進めていました。突然、主賓をお願いしていた鈴木先生(金沢工業大学名誉教授)から電話がありました。5月21日の事です。「昨日、我が家の掘りこたつのあたりから、羽蟻が出たので、一度見に来てほしい」とのこと。つづいて「中越沖地震被害報告書が未完なので、完成しませんか?同時に記念誌を作りませんか」と言う、お話をいただきました。自分が想像している、読み物と合わせて記念誌なんて、絶好のチャンスと思いました。
 後日、先生宅をお邪魔して、床下の点検と記念誌の打ち合わせを行いました。
 翌日、メールを開くと先生から早速、記念誌の編集案が届いていました。「早いな~」が印象です。先生の方がやる気満々!押してくれる人がいて、やってみようというファイトがわいてきました。「何とか完成させよう」と、いう。
 設計を担当してくれている、角川さんも大いに手伝っていて抱き、パソコン相手に大奮闘が始まりました。先生も3日間、我が家に缶詰で徹夜の連続。こうやって、多くの人の力をお借りして、思いもよらぬ立派な記念誌が完成しました。
 午前11時20分、お客さんの着席とともに、フルート演奏の導入が始まりました。演奏はかつてのお施主様でもあり、家内の友人でもある磯部裕子さんと徳田さんのピアノ。司会者は、長谷川林材の角さん。
迎えるのは、写真左上の私と家内、晃久と剛士、新調したはっぴ姿。職人の正服だ。
 演奏を聴きながら、私は、少し緊張気味でした。気持ちを静めるには、とても良い時間でした。初めは私のあいさつで始まり、続いて鈴木先生、東海書道芸術院会長の豆子さんのごあいさつをいただきました。その後、いつもお世話になっている、西堀さんによる、乾杯のご発声。そして歓談へと入りました。

 歓談中は、弟子による寸劇。どうやら、私をまねての弟子たちとのやり取り。
 業者さんによる、大喜利。川辰さんが円楽役。座布団敷きは森建さんの息子玄徒さん。小林左官さん神保左官さん、設備屋さんらがそれぞれ、役者を務めおめでたい時間になりました。
 また、業者さんの回渕さんが企画してくれた、弟子対業者の丸太切り競争、弟子たちのパフォーマンスが面白かった。昔のでっかいのこぎりを持ってきた「親方、これで切ってください」「こんなもんで切れるか」なんちゃって!面白かった。
 途中、兄弟子の大倉棟梁、河島明美さん、三和総合設計の岩波さんのごあいさつ。
 最後は、川村工務店のみんなによる、伊勢参り節(いせま)。手拍子と数日間練習してきた声での、大発声。中田さんも加わりチームワークを感じた。歌が終わると同時に、親友の宮内寿和棟梁の、予定外の万歳三唱。
 約3時間の祝賀パーティーがとどこうりなく、お開きになりました。

 みなさんに、たくさんの時間を割いていただき、本当の意味での手作りの、祝賀パーティーになりました。テーブルの名前は、桧杉松、楢橅樺、欅槇椹とすべて木の名前。テーブルフラワーは、家内の友人の清水先生。時間の取り方も業者さんたちの思うような時間運び。受付のテーブルも弟子たちの、100周年のお祝い。材料は宮内棟梁のお祝いの、杉の一枚板。寄せ書きの板も角さんからの、桧の一枚板。丸太切りの材料は、ちょうなはつりの、桧材。大喜利のはっぴは川村工務店のイベント用のもの。
 中でも大きな成果は、弟子たちが今まで以上に、自分らしさを出し、より仲良くなったこと。業者さんも横のつながりが深くなり、記念誌編集作業中は、私も角川さんも現場に関われなくて、状況を呑み込んでくれたみんなが、適切に対応して下さったこと。みんな今まで以上に、仲良くなった。
 広島から、一番弟子の野口君が、12年ぶりに帰ってきてくれたこと。2番弟子の辻本君も来てくれたこと。みんなの顔がそこにあった事が、なにより嬉しかった。
 記念誌は、とても評判が良かった。

みなさん、ありがとうございました

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