第503回 2軒の伝統構法

2014年06月01日

6月に入り、なかなか休みも取れないし、「今日は時間がある!」という事で。

一路福井県金津へ。名勝養浩館庭園。といっても、庭園ではない。
300年前に建てられ、福井大震災で被災し、その後復興された。
建物自身は比較的新しく感じました。

障子を開け放つと、庭園の第パノラマが一枚の絵の様に目に飛び込んできます。
屋根は杮葺き、一部ひわた葺き。材料は結構細く感じ繊細に見えます。
石場建てで、伝統構法を楽しむことが出来ます。

第503回 2軒の伝統構法

池に跳ねだしたような家のつくり

第503回 2軒の伝統構法

新緑の木々に包まれたアプローチ

第503回 2軒の伝統構法

杮葺きとひわた葺きの入り組んだ屋根のつくりが「おりべ」の世界を誘う


もう一つは、鯖江にある瓜生邸。

この建物も300数年前に建てられ、移築されたものです。

建築材料や組み方は当時のままだそうです。

第503回 2軒の伝統構法

外観は、萱葺きの装いで普通の感じと変わらない



まあ、軸組のダイナミックさに圧巻です。是非、皆さんもご覧になって下さい。

第503回 2軒の伝統構法

柱も曲がったままで使い、枝分かれの部分はうまく利用し、
桁が組まれている。
縦横の芯のずれも、高さの違いも見事に、大工棟梁の腕にて組みこまれている。

この棟梁の脳みその構造がやたら気になりました。
築300年のこの民家、雨水さえ洩らさなかったら、まだ、300年は健在だろう。

300年後、いや30年後にこの民家に手を加えて直せる、
棟梁が健在だろうか?
建築基準法よ、大工の命の火を消さないでくれ!

この民家は、一見の価値が十分にある。是非、一度ご覧あれ。
















同じカテゴリー(樹湖里っ子(きこりっこ))の記事画像
50年
第633回 フランスにて
第632回 「くむんだー」遠征月間
第631回 木戸の建具
第630回 トンネル工事の見学
第629回 オアシス21にて
同じカテゴリー(樹湖里っ子(きこりっこ))の記事
 50年 (2021-03-31 22:37)
 第633回 フランスにて (2019-04-14 13:58)
 第632回 「くむんだー」遠征月間 (2018-11-20 20:49)
 第631回 木戸の建具 (2018-10-07 19:36)
 第630回 トンネル工事の見学 (2018-10-02 19:46)
 第629回 オアシス21にて (2018-09-15 20:51)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。