第360回 『クマと もりと 人』記念セミナーを終えて

2011年03月19日

第360回 『クマと もりと 人』記念セミナーを終えて

3月13日(日)の「根本から見つめなおして、ちゃんとした家をつくる」連続セミナー。
第70回目の記念セミナーの感想です。


日本熊森協会の会長、もりやままり子さんを迎えての講演会です。

震災後の開催なので、自粛も考えましたが、開催をさせていただきました。
37名の参加を頂きました。

私の感想です。

私は、今回のセミナーで、森山さんの「子供たちには嘘はつけない
そんな思いから、自分の正義感・私にしかできないと思ったことを、実践されたこと、
自分にできることは『何なのか』と見つめられたこと、」に感銘を受けました。

社会の仕組みや、経済のあり方に大きな疑問を持っている人は、たくさんいると思います。
文明の都会で、生活している人は、生かされている暮らしに満足し、死に向かう山には
目をむけず、ただ繁栄を享受しています。私たちもそうだと思います。

森で死んでいく動物たちや、楢などの植物。「森が死んだら人間も死んでしまう」
「動物が消えると森も消える」「動物+植物=森」当たり前の事でも、気づかない人間。

文明がどれほど進歩しても、今回の震災のように計り知れない自然災害の前にはあまりにも無力です。
人間が生きていけるためには、自然を人間の都合の良いように、変化させることはやめ、
自然のほんの一部であるという認識に立たなくてははいけません。

お話の中にもあったように、奥山まで人工林をつくり「良し」とした時代から、
バランスの取れた森づくりが大切だと良く解かりました。

先人が「奥山は人が侵してはならない」という意味は、科学的な根拠ではなく、教えとして守ってきました。その教えは、治水や保水を初めとする、豊かな森を教えていたのでしょう。それが科学だと思います。

オール電化に補助金を出す・エコカーにも補助をだし・高速道路も安くするから走れ走れ!・40インチを超えるテレビでもエコポイント、こんなことを続けて、経済は右肩上がり。経済成長バンザイ!なんて変ですよね。

その便利さは、何のためにあるのか。
エネルギーの基本も、自然との共生も根っこから見つめなおしていくことが大切ですね。

クマやシカが木の皮をむき、害獣として扱われていますが、人間には、なしえることのできない、自然環境のバランスととるといった仕事を、人間に代わってやっていてくれるのかもしれません。(山主にはごめんなさい)


動植物が絶滅するのも自然界では自然淘汰かもしれません。
人間が自然災害にあってしまうのも、残念ですがある意味、仕方のないことかもしれません。
しかし、原発や戦争で滅びたなら、許せない淘汰です。でも、人が作ってきたもの、人が行うものなら、必ず幸せになりえる方法を、見いだせると思います。これは、国民みんなが考え、行動をしなくてはならないと思います。

こんな話がありました。
海の魚の量がどんどん少なくなっている。タラは、少なくなりすぎ(臨界域)と超え、
以前の数には程らないという話がありました。
話を聞きながら、家づくりも伝統的構法は臨界域をはるかに超えている。

私たちは、環境変化で生まれた、量産住宅(越前クラゲ)としてますます大きくなっていくのか
それでもなお、タラのまま回遊していくのか、大きな選択だと思います。

今日のセミナーは、東日本巨大地震とたまたま重なり、おおきな問題提起か!と感じました。

本日、貴重な時間を裂きご参加いただいた方々には、お礼を申し上げるとともに、
縁あって、時間を共有しながら、学習させていただいたことに感謝します。

ありがとうございました。

愛は言葉ではなく、行動です。





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